2023年8月20日から25日まで、ワルシャワ工科大学で第17回急冷凝固・準安定材料会議(RQ 17)と、第27回準安定・アモルファス・ナノ構造材料国際シンポジウム(ISMANAM 27)の合同会議が開催されました。この会議は、金属ガラスやその他のアモルファス材料、ナノ結晶材料、その他の準安定材料、それらの加工、構造、特性、応用の分野における基礎研究および応用研究に関するニュースやアイデアを共有する絶好の機会となりました。
RQ会議は3年に1度、ISMANAMは毎年開催され、どちらも世界中の科学機関が主催しています。2020年は両コミュニティにとって特別な年でした。というのも、史上初の金属ガラスに関する論文が発表されてから60周年にあたるためです。さらに、2020年にはもうひとつの記念日があります。それは後に「RQ1」と呼ばれる、金属ガラスとその他の準安定物質に関する最初の科学会議から50周年にあたるためです。アモルファス材料やその他の準安定材料の研究に携わる研究者コミュニティ全体でこの2つの記念日を祝うため、2020年にRQとISMANAMの学会を合同で開催することが決定されました。しかし、パンデミックと隣国ウクライナでの敵対行為のため、会議は2023年8月に延期されていました。

そして2023年、中国、ドイツ、韓国、オーストリア、スイスを中心に25カ国から190名の参加者を集めてRQ17&ISMANAM27合同会議が開催されました。プログラムでは、14のプレナリー講演と29の招待講演、74の口頭発表、8月21日のポスターセッションで45のポスター発表が行われました。また、会期中には5社が出展。特に、バルク金属ガラスと先進非平衡材料開発のパイオニアである井上明久(弊社 取締役会長)による講演が行われました。井上は、東北大学大学院工学研究科教授、東北大学総長などを歴任しています。

井上は2800以上の論文を執筆しており、1996年から2006年にかけて材料科学・工学ジャーナルに掲載された論文の被引用回数が多い著者の世界ランキングで1位を獲得しています。もう一人の著名な講演者は、オックスフォード大学およびブルネル大学の材料学教授であるブライアン・カンター教授です。彼は多成分高エントロピー合金の分野を発明し、「カンター合金」を発見しました。最近では、ブラッドフォード大学およびヨーク大学の副学長、オックスフォード大学の数物科学部長、米国GE研究所の研究科学者、アルキャン、NASA、ロールス・ロイスのコンサルタント、『Progress in Materials Science』の編集者、王立工学アカデミーの副会長などを歴任しています。この記念すべき会議の特別ゲストが、1970年の第1回RQ会議の共同主催者であるエミール・バビッチ教授であったことは注目に値します。

RQ国際諮問委員会は、RQ特別フェロー賞に3名の科学者を選出しました: Kamanio Chattopadhyay教授(インド)、井上明久(日本)、William L. Johnson教授(米国)。この賞は、非常に優れたキャリアを通じた貢献を称えるものです。また、ISMANAM運営委員会は、Nicoleta Lupu博士(ルーマニア)にAlain Reza Yavari Senior Scientist Awardを、Indranil Basu博士(スイス)とJun Ding教授(中国)にEarly-Career Scientist Awardを授与しました。また、8月22日には、金属ガラス発見60周年とRQ会議50周年を記念するヒストリカルセッションが開催されました。

この合同会議は、故ヘンリク・マティヤ教授が1973年に設立したアモルファス・ナノ結晶材料研究チーム(WUT材料科学工学部)が主催しました。今年はマティヤ教授の生誕100周年、チーム設立50周年にあたります。(会議のスポンサーは ワルシャワ工科大学およびポーランド科学アカデミーです。)

引用元https://liquidmetal.co.jp/wp-content/uploads/2024/01/RQ-Distinguished-Fellow-Award1.pdf